マサムネ工房・REPAIR

アンティーク家具の魅力 12 Neo-Classical  Robert Adam

18世紀の後半になってくると、Neo-Classic ネオクラシックのデザインスタイルが流行してきます。

17世紀の中ごろから グランドツアーと呼ばれる、イタリアへの留学が裕福層の間で、流行します。

若い人たちが、イタリアとギリシャからデザインやアート、その他文化的なものを吸収し、 イギリスへと持ち帰ります。

その影響がイギリスのデザインの歴史に一時代を作り上げます。

椅子でいうとより線が細くなり、脚はまっすぐで先細りの形になってきます。(テーパーといいます)

装飾にはギリシャ、ローマ時代によく見られた、スワッグやトロフィー、杯、など古代の遺跡にあった

モチーフからインスピレーションが多く見られます。

そのイタリア留学からもどり、室内装飾のデザインと、家具のデザインで名をはせたのが、

ロバート・アダムです。

彼の登場で、室内にトータルコーディネートという概念が生まれてきます。

壁の色、装飾、家具の色、装飾、天井の・・・という風に全体を統一感をもってデザインされていきます。

有名なマナーハウスにKedlston Hall があります。

http://www.nationaltrust.org.uk/main/w-vh/w-visits/w-findaplace/w-kedlestonhall/

ちなみに僕がツアーでいったのはこちらのマナーハウスです。

http://www.harewood.org/home

こちらにはアンティーク家具の修復工房が併設されていて、これが縁でインターンをさせていただきました。

ロンドンにも工房があって約3週間通わせていただきました。

 

先日紹介したV&Aにある、ロバートアダムとトーマスチッペンデールの合作。

ただし、この椅子のデザイン的な特徴はロココですね。ギルディングのモチーフが

左右非対称で、貝殻などはロココの代表的な絵柄です。

ロココからネオクラシックに移行する時ですね。

スタイル的にこのように洗練されてきて、全体が細く、シャープになってきています。

テクニック的にはペインティングが取り入れられてきています。

ロバートアダムが作ったあたらしい背もたれの形 楽器のハープのモチーフです。

これも古代ローマやギリシャのモチーフから影響を受けていると思います。

ロバートアダムはフレンチスタイルの椅子を多く取り入れるようになってきて

ギルディングを施したり、パステルカラーのグリーンや、ピンクなどを使い

ときにはペインティングを施して、表現の幅を広げました。

ロバートアダムデザイン マナーハウス