ここまで18世紀の中ごろから19世紀にかけて、イギリスの家具のスタイルでNeoclassicスタイルの
作家や家具を見てきました。今回は同じNeoclassicでもフランスのものを見ていきたいと思います。
ここでのポイントは緩やかに家具のスタイルが変更していくということです。
歴史上、今ネオクラシックとか今リージェンシとか言われているわけではなくて、
これは後から振り返った時に付けられている名前ですので、スタイルもかぶっている期間がありますし、
移り変わりは緩やかです。しかし、写真で見ると一目瞭然。その特徴の移り変わりははっきりしています。
今回はフランスのLOUIS XV (1723-1774)と LOUIS XVI(1774-1793) の時代の移り変わりです。
ちょうどロココスタイルからネオクラシックへと移行する時で、
ロココスタイルは柔らかな曲線、左右非対称の図柄、真鍮で隙間をうめるように豪華に装飾されています。
ツキ板も豪華にいろいろな種類のもので表現力をUPしています。
一方、ネオクラシックスタイルは直線を多用して、装飾は彫刻が多くなり、ツキ板もマホガニー一種類で
シンプルに表現されており、左右対称の図柄、シックな装いに変化が見られます。
この移行期には曲線から直線という変化に関しては、フランスの得意とする曲線から、
イギリスの得意とする直線のへの移行は、その時代の国の力関係の大きさにも関係していると思います。
特にロバートアダムがイギリスで、フランスの代表する椅子の形、Fauteuil(ファーテイル)をデザインに取り込んで、
巧みにイギリスの雰囲気と、イタリアで見た装飾を融合させ直線でデザインをまとめていった影響を強く感じます。